ANZAC DAY:NZから見た日本

4月25日はANZAC DAYです。
ANZAC軍(Australia NewZealand Army Corps)=オーストラリア・ニュージーランド・南太平洋諸島の連合軍の戦没者を追悼する日となっています。

第一次世界大戦については、日本はANZAC軍と同じ連合国サイドにいました。しかし第二次世界大戦においては敵国となり、オーストラリア本土を空襲した歴史から、世界大戦におけるANZACにとって、日本は敵国という位置付けになっています。

こういった経緯から、ANZAC軍関係者や世界大戦が記憶に残る年配のニュージーランド人にとって、日本人はANZAC DAYにあまり歓迎される存在ではありません。普段は親日な人が多く、日本が大好き!日本人は信頼できる!とありがたい評価をもらうことの多いのですが、この日ばかりは少し配慮をする必要があります。

ANZAC DAY当日は、夜明けのセレモニー(Dawn service)が行われ、オークランド各地では軍人さん、政治家、関係者たちが追悼式典に参加します。一般市民も多く参加します。

ニュージーランドにしてはとても華やかな式典のため、日本人観光客・ワーキングホリデーの人・留学生でも見に行こうとする人は多いです。

ただ、上記の理由から現地の方々への配慮をすべきこと、私が移住してきた最初の数年はANZAC DAY前には日本総領事館から「日本人への感情が良くない日なので、安全のため式典には参加しないように」というお知らせが来ていた事実もあり、当日は日本人のみなさまには特に敬意を払った行動をしていただけるようにお願いをしています。

日本でも世界大戦についての教育はきちんと受けていて、私たちは頭ではきちんと理解ができているはずです。

ただこうして一歩国外に出ると、同じ出来事も真反対の立場から見ることになったり、これまで経験したことのない方向から物事を見て判断する必要に迫られることがあります。

中高生のみんなにこういう話をすると「めんどくさいな」って思うかもしれません。でもこれこそが生きた世界史のお勉強です。Youtubeを見ただけでは分からない「世界史を実感」する経験となります。そして日本という国を外から見ることのできる貴重な機会にもなります。

ちなみに、オークランド博物館(正式名称はAuckland War Memorial Museum)にはANZAC軍や世界大戦に関する展示もあります。子どもにも分かりやすい説明や展示があるので、良ければ行ってみてください。ガリポリの戦いに参加して亡くなった夫の親戚の名前も展示してあり、

ANZACビスケットを食べて、ポピーの花の飾りを見ながら、日本人として生まれた私たちが世界平和のためにできることを考える日にできたら良いですね。

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